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【水なし川】の伝説 

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ある日のこと、横浜の小学校5年生の児童から協会にFAXが入りました。

『~ぼくは総合学習で水なし川という伝説を見つけました。
その話について3つ聞きたいです。
1つ目は、なぜ、語りついでいるのか?
2つ目は、どうやって語りついでいるのか?
3つ目は、その県ではとれくらい知られているか?  です~』

ありがたいと同時に、横浜からどうやって山口市吉敷の水なし川の伝説を・・・
と、驚きのFAXでした。


わたくし生まれも育ちも(15年除く)吉敷で、
毎日、小学校へは水なし川=吉敷川 を渡って通学していました。

本日は、皆さんに、山口市吉敷に伝わる【水なし川】の伝説を披露いたします。


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その昔、旅のお坊さんがやってきて、川辺に足をとめました。
川岸で洗濯をしているおばあさんに、
「水をいっぱいもらえませんか」
と頼みます。
ですが、おばあさんは、お坊さんの身なりを見て返事もせず、無視をします。
お坊さんは、もう一度丁寧に頼みますが、
「私は忙しいのだよ。おまえみたいな乞食坊主の相手はしておられん。」
と憎らしげに言い放ち、洗濯を続けます。
「おじゃましたね、おばあさん」
と、お坊さんは寂しそうに水も飲まずに立ち去ってしまいました。

その年は、いつになっても雨が降らず、吉敷川の水は少なくなっていきました。
上流の方では水がかなりあっても、
おばあさんが洗濯をしていたあたりに来ると、まるで水がなくなってしまうのです。
そして、ここから800m下流になると、水が流れ始めるのです。

そのうち、一杯の水がもらえなかったお坊さんは、弘法大師で、
おばあさんの悪い心をいましめるために、水の流れをとめたのだろうと
うわさされるようになりました。

それから、吉敷の人たちは、吉敷に来るどんな人にも親切にしなくては・・・
とお互いにいましめあったということです。

それ以来、吉敷川のことを、【水なし川】というようになりました。

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吉敷地区に伝わる【水なし川】の伝説です。


現在、吉敷地区にある良城小学校では、≪ふるさとよしき≫という本が発行されており、
小学校3,4年生の副読本となっているのですが、
その中に、【水なし川】は、吉敷の伝説として記されています。
こうして、吉敷地区の住民に語り継がれています。

この吉敷川では、
小学生によるホタルの放流も毎年されており、
ホタルの住む清流であります。

また、吉敷の隣の地区、
山口市湯田温泉生まれの近代詩人中原中也(お墓は吉敷にあります)も、
この吉敷川をある詩にうたっています。
一つのメルヘンの一節です。
『・・・
今迄流れてもゐなかつた川床に、水は
さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……


※中原中也記念館HP → コチラ



さて、本当に、今も水が流れていない川の場所があるのでしょうか?

はい。あるのです。
水なし川に伝わる通りの伝説の川です。
物理的には、『伏流水』ともいわれますが・・・。


地域にいい伝えられる伝説。いつまでも伝えて大切にしていきたいですね。



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橋の上から見る吉敷川

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橋から200mも下ると川の水はなくなっています





有吉





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テーマ : 山口県 - ジャンル : 地域情報

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